許してもらえる謝り方!心理学的に正しい謝罪のワーク

「仕事でミスをしてしまった」
「パートナーを怒らせてしまった」
「友達に迷惑をかけてしまった」
このような何かトラブルがあったとき、相手に一生懸命謝ったのに
「許してくれなかった」
「思うような反応が得られなかった」
そんな経験はありませんか?
そんなとき、よく
許してくれなかった相手のことを
「頑固だな」
「冷たいな」
と、相手側に問題があるように思いがちですが、実際は謝罪する側に問題があることが多いのです。
その問題の原因として
一般的に謝罪によかれと思って使われるよく陥りがちな「してはいけない謝り方」をしたために相手の逆鱗に触れ、それにプラスをして、効果的な謝罪をするための要点や手順を把握していなかったことで自分の誠意が相手に伝わっていない
ということが重なり、謝っても許してもらえない、思ったような反応が得られない、ということが起こってしまうんですね。
相手の逆鱗に触れる「してはいけない謝り方」はこちらで解説しているのでご覧下さい。
「ついやりがちな関係崩壊の謝り方していませんか? 謝って許してもらえる人と許してもらえない人の違いとは」
相手に謝罪を受け入れてもらうには、あなたの誠意がしっかりと相手に伝わらないといけせん。
あなたが心から申し訳ないと思っていても、それが相手に伝わらなくては何の意味もなしません。
今回は、謝罪に自信がない人、言葉を上手く伝えるのが苦手な人でも、心理学に基づき相手の心を上手く掴み誠意が伝わる謝罪ができるようになれるワークを一緒にやっていきましょう!
ワークをすることで、相手に謝罪を受け入れてもらうだけではなく、同時に相手との仲を関係修復もできますよ(^^)
目次
許してもらえる謝り方!心理学的に正しい謝罪のワーク
相手に許してもらえる謝罪には法則が存在し、幾つかの要点と手順を守ることが鉄則になります。
これから、要点を解説しながら一緒に謝罪の言葉を作っていきましょう。
謝罪をするとき謝罪の要点だけを抑えて、後はアドリブでしたり、頭の中で考えながら謝罪する内容を考えて謝罪をする方も多いのですが、これは失敗する謝罪になりやすく、あまりオススメできません。
何故かと言いますと、謝罪の失敗する大きな要因の一つとして、謝罪をするとき、頭の中は色んな思考でごちゃごちゃになっていることが多く、上手く謝罪する相手に誠意や謝罪の意図が伝わらないことが多いんです。
許してもらう謝罪をするには、頭の中から外に一度思考を取り出し1つ1つ整理していくことが大切になります。
それができるのが今回の謝罪のワークになります。
ワークは紙とペン使い、ステップと解説に従って謝罪の言葉を書き出していくワークになります。
ワークをすることで頭の中の思考が整理されて、自分の感情や状況を客観的に見ることができるようになり、相手に誠意を感じさせる言葉が出せるようになれます。
各ステップにあまり繋がりがないように感じるかもしれませんが、最後のステップでこれまでのステップで組み合わせた言葉をまとめて、 相手にかける謝罪の言葉を完成することができますので、 そのあたりはあまり気にせずに各ステップの課題に取り組んでみましょう。
ステップ1
自分は今回、誰に何を謝りたいのかを書き出してみましょう。
例
友達の悩みを他の人に話してしまったことを謝りたい
ステップ2
何故、あなたはそのような行為をしてしまったのか書いてみましょう
例
友達の悩みの解決策を導きたくて、他の人の意見も聞きたかったから
友達は「他の人に言わないで」と言ってなかったから
解説
ステップ2で書いたことは、「謝罪では言ってはいけないこと」になります。
「ついやりがちな関係崩壊の謝り方していませんか? 謝って許してもらえる人と許してもらえない人の違いとは」見れるようにするでもお話しましたが
謝罪する事態になったのは何かしらの原因があって、結果、相手に悪いことをしてしまったので、それを話して相手に自分のことを分かってもらいたいという気持ちを誰しも人は持っています。
なので、相手に悪いことをしてしまったときに相手に、自分がそうしてしまった経緯や理由を話そうとしますが、これは相手にとって「言い訳」にしか聞こえません。「自分はこういう事情があったから仕方ないんだ、悪くないんだ」
という、自分を正当化する言葉として受け止められてしまい、相手に誠意が伝わらなくなってしまうんですね。
なので、今書いたことは 「謝罪では言ってはいけないこと」として認識しておきましょう。
ステップ3
自分が今回のことを、謝る側ではなく、謝られる側の相手の立場になったとして想定してみましょう。
その時にあなたは今回のことに対してどんなことを感じますか?
例
他の人には知られたくなかった
他の人に知られて恥ずかしい
信用してたから話したのに他の人に話すなんて裏切られたようで悲しい
言った相手に腹が立つ
解説
これが、今回のことで謝罪したい相手が感じている感情になります。
謝る側と謝られる側には「認識の差」があると言われていて、謝る側が謝られる側の悲しみや怒りを軽く見積もってしまいやすいのです。
つまり、謝る側は謝られる側の怒りや悲しみを「4」くらいに見積もっていても、実際謝られる側が感じている悲しみや怒りは「8」くらいなことが多いのです。
なので、今あなたが謝られる側の立場に立って想定して感じた感情の少なくとも倍は感じていることを認識しておきましょう。
ステップ4
「ステップ3」に続き、自分が加害者側ではなく被害者側の相手の立場になったとして想定してみましょう。
謝罪する相手からどんな言葉を聞きたいか「ステップ3」をもとに書き出してみましょう。
例
「他の人に話してしまったこと申し訳ない」
「私のせいで裏切られたような悲しい気持ちにさせてごめんね」
解説
これが、今回のことで謝罪したい相手が、あなたから謝罪で聞きたい言葉になります。
ステップ5
「ステップ4」をまとめて、相手にまず最初にかけるお詫びの言葉を作ってみましょう。
例
「他の人に話してしまったこと本当にごめんね、私のこと信用してくれたから話してくれたのに、それを他の人に話すなんて裏ぎられたような悲しい気持ちにさせちゃったよね」
ポイント
例の文面のように
事実に対して謝罪の言葉+相手の気持ちへの共感の言葉
で作ってみましょう。
「他の人に話してしまったこと本当にごめんね(事実に対して謝罪の言葉 )
私のこと信用してくれたから話してくれたのに、それを他の人に話すなんて裏ぎられたような悲しい気持ちにさせちゃったよね。(相手の気持ちへの共感の言葉)」
解説
謝罪のときは、まずは最初に相手にお詫びに言葉を述べるのが基本です。
出だしが相手の心情に寄り添い相手の聞きたい言葉を述べることで、相手がしっかりあなたの話を聞こうと心を開かせることができます。
ステップ6
自分にはどんな罪や責任があるのかを書き出してみましょう。
例
他の人に話されたくない友達の気持ちを考慮できなかった
友達の悩みを他の人が知ってしまった
友達に不快な思いをさせた
解説
これらのことは、自分がしたことということを受け入れましょう。
これらを受け入れることが「自分の責任を認める」という意味になります。
ステップ7
「ステップ6」書いたことを受け入れて責任を感じていることを、言葉として相手に伝えるとしたら、どのように伝えますか?
伝える言葉を書き出しましょう。
例
「他の人に話されたくないあなたの気持ちを考慮できなかった私のせいで他の人にあなたの悩みを知られてしまったこと、あなたをこんなにも不快な思いをさせてしまったことはすごく責任を感じていて、あなたには本当に申し訳ないって思ってる」
解説
この自分のしたことの責任を認める言葉が「ステップ5」の相手にまず最初にかけるお詫びの言葉の後に相手にかける言葉になります。
「言い訳をせずに自分の責任を認める」ことで「相手に反省している気持ち」「誠意」を相手に伝えることができます。
また「誠意」を感じさせるポイントとして
謝罪するときに、自分のしてしまった罪を矮小化(小さく見せること)しがちですが、これは相手に
「問題や私の気持ちを軽んじられてる」
「この人はできるだけ責任を逃れたいんだな」
という風に捉えられやすく逆効果です。
「自分はこんなに酷いことをしてしまった」
という風に自分の罪をできるだけ大きく話すことで 相手に誠意や自分の後悔や反省の意を強く与えることができ、相手に「そこまで反省していてくれるなら、、」
と思ってもらえやすくなり、許してもらいやすくなるんですね。
ステップ8
これから、このようなことが起きないようにするにはどうすればいいと思いますか?
書き出してみましょう。
例
友達の悩みは「他の人に言わないで」と言われていなくても他の人には話さないようにする。
友達の立場に立って行動するようにする。
ステップ9
自分がしてしまったことにどう対処、解決していきたいと思いますか?
書き出してみましょう。
例
友達の悩みを話してしまった人には言わないように伝えた
友達のこの悩みを全力で親身になって解決に協力していきたい
ステップ10
自分がしてしまったことに対して今後、自分が相手にできる誠意とは何だと思いますか?
例
これから友達のために精神的な支えになれるように尽くしていく
ステップ11
「ステップ8」~「ステップ10」を踏まえて、相手にこれからどうしていきたいのか「具体的な解決策」を提示するとしたらどう伝えますか?
書き出しましょう。
例
「今回のことに関しては、話したAさんには他に話さないように固く口止めしてもらってこれ以上にひろがらないようにしたよ。あなたのこの悩みを解決できるように全力で親身になって解決に協力していきたいって思ってる。
これからは、あなたの悩みは誰にも話さないようにするし、もっとあなたの立場に立って考えるように心がけるね。そして、 あなたのために精神的な支えになれるように尽していくことであなたに誠意を見せていきたいよ」
ステップ12
謝罪の締めとして、もう一度相手にお詫びの言葉をかけましょう。
どんな言葉を伝えますか?
書き出してみましょう。
例
「今回は私のあなたに配慮の行為のせいで不快な思いをさせてしまって本当にごめんね」
ポイント
「ステップ5」のお詫びの言葉と同様、自分が言いたい言葉ではなく相手が聞きたい言葉を意識しましょう。
ステップ13
謝罪する相手に対して日頃から感謝していることを書き出してみましょう。
例
いつも親身に話を聞いてくれる
分からないことを教えてくれる
出かけるとき計画を立ててくれる
ステップ14
相手に対して、今こうして謝罪を聞いてくれていることにお礼をし、そして「ステップ12」をもとに日頃からの感謝の気持ちを言葉を伝えるとしたらどんな言葉をかけますか?
書き出してみましょう。
例
「私がしたことですごく不快な思いをさせちゃったのに、今こうして私の話を聞いてくれて本当にありがとう。
それに、いつも親身に話を聞いてくれたり、分からないことを教えてくれること、出かけるとき計画を立ててくれることすごく助けられてるから、あなたには本当に感謝してるよ」
ポイント
相手への感謝はたくさんある場合、それはとてもよいことですが、長々としすぎるとダラダラとした言葉に聞こえ、よくないので最も感謝していることを3つ選び、言葉を書いてみましょう。
解説
感謝には、絶大な効果があることが分かっています。
人は感謝をされると、幸福感が増し、感謝を伝えた相手に対し親近感や親密度が増すことが分かっていますので感謝をされることで、不快に感じていたネガティブな感情から解放され、感謝を伝えた相手を許しやすくする効果があるんです。
また、そのような効果から、謝罪の後の関係修復にも非常に大きな効果を発揮します。
しかし、「謝罪」と「感謝」は相反するものですので、謝罪の言葉の中に、いきなり感謝の言葉を発すると不自然さに相手が違和感を感じたり、わざとらしさを感じさせてしまいますので、
謝罪の言葉から感謝の言葉に自然に移行する接続詞的として
「相手に対して、今こうして謝罪を聞いてくれていることに対してお礼をする」
を使うのです。
このお礼の言葉には、謝罪の要素と感謝の要素の2つが入っているため、このお礼を言ったあと、相手に違和感を与えることなく感謝の言葉を相手に伝えることができるんですね。
ステップ15
これまでやってきた、言葉を下の順番通り組んで、謝罪の言葉の完成です。
謝罪の言葉の順番は
1.「ステップ5」お詫びの言葉を伝える
2.「ステップ7」自分の責任を認める言葉を伝える
3.「ステップ11」具体的な解決策を提示する
4.「ステップ12」もう一度、お詫びの言葉を伝える
5.「ステップ14」感謝の言葉を伝える
になります!
謝罪のポイント
みさちからのメッセージ
私達人間はは弱い生き物なので、何かあれば自分のことを正当化したり言い訳したくなる生き物なんです。
好んで悪いことをする人はいないですから、何かしらの原因があって悪いことをしてしまったので、それを話して相手に自分のことを分かってもらいたいっていう気持ちが人をいい訳に持って行きます。
ですが、謝罪で大切なことは
「自分が悪気がなかったことを相手に分かってもらうため」ではなく
「相手に自分の責任を認めて、具体的な解決策を提示すること」
になります。
多くの方は謝罪を相手に謝罪の言葉を伝えることだと思っていますが、それは大きな間違いです。
本当の意味での謝罪は、謝罪後、あなたが謝罪で提示した解決策に忠実に相手に誠意を持って接するという、あなたの謝罪後の相手に対する行動なんです。
そして、自分が相手にしてしまったことを学びにし、これからの人生に活かしていくことです。
そうすることで、今回のことをバネに、お互いの関係もあなた自身もより発展し良い物にしていくことができるでしょう。
みさち