計画倒れとはさようなら!倒れない計画を作るワーク
余裕を持って終わらせるはずだったのが、締め切りギリギリ、、
楽勝がと思っていた作業が、思ったよりも時間がかかった、、
予定の時間をオーバーしてしまった、、
このような経験はありませんか?
そんなとき
「なんて自分はダメなんだ、、」
「なんで、自分はキッチリできないんだ、、」
こんな風に思ったことはありませんか?
ちょっと待ってください!!
それはあなたの計画遂行能力が低いというわけではなく
そもそも
計画自体が甘い
という、可能性があるからなんです。
目次
☆計画倒れとはさようなら!倒れない計画を作るワーク
・客観的に計画を立てる
・過去のデーターから計画を立てる
・他人の過去のデーターから計画を立てる
・最悪の状況を想定して計画を立てる
・他人にチェックしてもらい計画を立てる
・倍数で計画を立てる
私達の時間感覚はかなりいい加減
私達の計画にかかる労力の認識について
ロジャー・ビューラー心理学教授が行なった研究をご紹介します。
ロジャー・ビューラー氏は学生37名に対してあるテーマで論文を書くという課題を出しました。
その課題について
「どれくらいの期間で提出できるか」
を質問したところ
学生の回答の平均日数は33.9日となりました。
ところが、実際に課題が提出された際の日数を平均すると55.5日と大きく遅延する結果となってしまったんです!
ロジャー・ビューラー氏によりますと
「人は課題完遂までの時間を平均して最大40%過小評価する傾向にある」
との見解を示しています。
もう1つ、研究をご紹介します。
認知心理学者のダニエル ・カーネマン氏の研究です。
カーネマン氏は、教科書執筆チームのメンバーに
「最終案を提出するまでに、どのくらいかかるのか」
を尋ねたところ
メンバーの予測は、最短でも1年半、最長の予想したメンバーでは2年半でした。
ところが
実際に教科書が完成するまでに、なんと8年の歳月を費やしてしまったんです!
カーネマン氏も
「人は過去に計画どおり進まずに失敗した経験を持ちながらも、プロジェクトの完成に要する時間を過小評価する」
と、おっしゃっています。
つまり、私達人間がもともと備わっている時間認識はかなりいい加減で、何かに取り組むときにかかる労力や時間をかなり少なめに見積もってしまう、ということなんですね。
この、 何かに取り組むときにかかる労力や時間をかなり少なめに見積もってしまい、計画と実際に取り組んだときの現実にギャップが生じ計画がずれてしまうことを
計画誤差
と、いいます。
そして、この計画錯誤は
どんな人にも必ず起こる
ということなんです。
つまり、本当の問題は、キッチリとやらなかったことではありません。
そもそもは、「これならできるだろう」と誤解し、楽観的な計画を立ててしまい、計画の見通しの甘くなってしまうことに原因があるということなんです。
私達は都合の良いように捉えている
しかし私達はなぜ、こんなにも見通しの甘い計画を立ててしまうのでしょうか?
これには、私達の脳にもともと備わっている
「楽観性バイアス」
が関わっているんです。
楽観バイアスとは
世の中に起こることを、自分にとって都合が良い方に捉えたがる傾向
のことです。
例えで言うと
世界は現実よりも安全
自分は大丈夫だろう
自分の能力は平均以上
目標は現実より簡単に達成できる
と思ってしまうことです。
つまり私達は、自分に良いことが起こる可能性を過大に評価し、悪いことが起こる可能性を過小に評価する傾向があったり、自分に取って都合の悪いことは、自分には起こらないと思ってしまう傾向があるというわけなんです。
また、「何とかなるだろう」「考えても仕方がない」と思い、深く検討しようとしないんですね。
その方が、脳に取って心理的なストレスが減らせますし、脳は1日に多くの情報を処理しているので、脳のエネルギーをなるべく節約しようとする傾向があります。
そのため、楽観的に捉えた方が考えることが脳の労力が減り、脳のエネルギーを節約することができるので、私達の脳は、積極的に楽観性バイアスを使いたがるようにできているんです。
これでは、甘い計画になるのは当然ですよね。
なので、自身を過信せず「自分は計画を甘く見積もる」ということを自覚し、バイアスを見込んでおくことが計画錯誤を防ぐ第一歩になります。
計画錯誤を防ぐには
計画錯誤は非常に身近なところで頻繁に発生します。
プライベートでは
予定が狂う
約束が守れなくなる
待ち合わせ、予約時間に遅刻をする
ビジネスでは
費用を見誤る
納期を見誤る
成果を見誤る
成功率を見誤る
などがあげられます。
これでは、評価、信頼が大きく下がってしまいますよね。
けれど、頭では計画誤差が分かっていても、計画誤差を防ぎ、現実に合った計画を立てるって結構難しいですよね。
そこで、今回は計画錯誤による、計画と現実の不一致を防ぎ、適切な計画の立て方ができるようになるためのワークになります。
計画倒れとはさようなら!倒れない計画を作るワーク
ワークのやり方
紙とペンを用意しましょう。
ワークでは、6つの計画の立て方が載っています。
それぞれの計画の立て方を見て、自分にやりやすそうな立て方を選んでみましょう。
選びましたら、ステップに従って取り組んでみましょう。
ワーク
客観的に計画を立てる
ステップ1
あなたの良く知る知人の中であなたに近い人物を一人、思い浮かべてみてください。
ステップ2
その知人が同じ作業をした場合、どれくらいで終えるのかを考えてみましょう。
ステップ3
ステップ2の情報をもとに計画を立ててみましょう。
解説
自分の作業となると、楽観性バイアスが働き、計画錯誤が起きやすくなります。
あなたではない別の知人に置き換えることで、客観的な視点を持つことができ計画錯誤を防ぐことができるんです。
過去のデーターから計画を立てる
ステップ1
自分が過去に同じ作業をしたときどれくらいを要したのか紙に書き出しましょう。
ステップ2
過去の同じ作業をしたときのことを思い出し、それがどれくらい大変だったのか書き出してみましょう。
ステップ3
過去のその作業の
「上手くいったところはどこなのか」「上手くいかなかったところはどこなのか」
を、それぞれ書き出しましょう。
ステップ4
ステップ3から、
「なぜそれが上手くいったのか」「なぜ、それが上手くいかなかったのか」
を、それぞれ書き出しましょう。
ステップ5
ステップ4の上手くいかなかったことを解決するにはどんなことをすればいいのか書き出してみましょう。
ステップ6
ステップ1~5までの情報を参考に計画を立てましょう。
解説
過去の実績を手掛かりに計画を立てていくのですが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というように、人は過去の記憶を忘れてしまったり、都合よく記憶をしたりするということがよく起こります。
参照するデータがいい加減であれば、適切な計画を立てることはできませんよね。
人の記憶は感情と密接に繋がっています。
そこで、作業が終わるまでにどれくらい要したのかに加えて、どれくらい大変だったかというその時の感情を思い出してもらうことで、その時の記憶を詳細に引き出し、記憶の正確性を上げることができるんです。
また、その作業が過去にできなかったとしたら、前と同じ取り組み方では、また上手くはいきません。
しかし、人は前にできなかったことでも、楽観性バイアスが働き「今年こそはできそうな気がする!」とまた過信してしまう傾向があります。
それを防ぐために、上手くいかなかった原因を知り、解決策を導くことで、再び同じ作業をし同じ問題にぶつかっても同じ過ちを犯さず、乗り越えることができるんです。
そして、過去に上手くいったところに目を向け分析することで、再び同じ作業をするとき上手くいったやり方を上手く活用することができ、効率的に作業をこなすことができるんでき計画の破綻を防ぐことができるんです。
他人の過去のデーターから計画を立てる
ステップ1
スマートフォンなどのメモに、これらのことを書き込みましょう。
・どれくらいの時間、期間を要したのか
・大変だったことは何か
・作業を取り組む際、何か想定外のこと、トラブルがあったか、それはどんな想定外のこと、トラブルだったのか
・トラブルや大変なことを乗り越えるためにどんなことをしたのか
・作業をするに当たってのアドバイス
ステップ2
あなたの知人の中で、なるべく自分に近い能力でその作業をしたことのある知人を選びましょう。
ステップ3
ステップ2で選んだ知人に、ステップ1で書いたメモの内容を質問しましょう。
質問の回答は、忘れないようにメモをしておくことをオススメします。
ステップ4
ステップ3の知人からのデーターをもとに、計画を立ててみましょう。
解説
未経験の作業はゼロベースなので、自分の中にその作業に対して指標になるものが存在していません。
それでも計画を立てようと思えば立てられますが、指標もなく自分の憶測だけに頼るのは最も楽観性バイアスが働きやすく、計画錯誤を起こしやすい原因になります。
しっかりとした指標を持つことはとても計画を作る上でとても大切なことなので、そんなときは経験者からデーターをもらうことで指標を作ることができます。
自分により近い人物のデーターをもらうことで、より精密な指標を導き出すことができます。
また、相手から困難やトラブル、それに伴う解決策を聞くことで、予めトラブルに対して備えることができ、トラブルが起きても冷静に対処することができ、終わらず計画倒れが起きるというリスクを減らすことができます。
最悪の状況を想定して計画を立てる
ステップ1
あなたがその作業をするにあたり、あなたが他に抱えている作業を書き出してみましょう。
ステップ2
あなたがその作業をするに辺り、起こりうるトラブルを思いつく限り書き出してみましょう。
ステップ3
ステップ2で書いたトラブルが起こったとして、あなたに取って最悪な状況はどんな状況か書き出してみましょう。
ステップ4
その最悪な状況を打破し解決するにはどんなことすれば書き出してみましょう。
ステップ5
その最悪な状況を打破するために必要な時間を考慮し
計画を立ててみましょう。
解説
人は楽観性バイアスにより、自分に取って都合の悪いことは自分には起こらないと思ってしまう傾向があります。
そのような見通しの甘さから計画を立てることにより、実際に作業をしたときに計画と現実との間にギャップが生じ計画錯誤が起きるんですね。
最悪な状況を想定することで、楽観バイアスに囚われることを防ぐことができ、適切な計画を立てることができるんです。
また、最悪の状況を想定しておくことで、トラブルに予め備えることができるので、ちょっとしたトラブルには動じずらくなり冷静な対応を取ることができるんです。
他人にチェックしてもらい計画を立てる
ステップ1
まずは、自分で作業に向けての計画を作ってみましょう。
ステップ2
あなたのことを良く知る知人の中で、自分とは違った価値観や考え方ができる人選びましょう。
ステップ3
ステップ2で選んだ人にあなたの計画表を見てもらい意見をもらいましょう。
ステップ4
もらった意見を参考に計画を修正し、再び計画を作ってみましょう。
解説
自分で計画を見積もると、楽観性バイアスが働き「自分はできる」と過信しがちになります。
他人にチェックしてもらうことで
「こうした方がいいんじゃない?」「それは無理があるんじゃない?」「こうなったとき、どうするの?」
など、計画に対し、自分にはなかった新たな視点や見落としがちな気付きを与えてくれるんです。
チェックしてもらうときも、自分と同じようなタイプの人に意見をもらうよりも、自分とは違った価値観や考え方ができる人に意見をもらった方が、自分が見落としがちな視点をもらうことができ、自分にとって発見の多いより良いアドバイスをしてもらいやすくなるんですね。
他人からの意見や視点を持つことで、客観的に自分の計画を見ることができ、適切な計画を立てることができるようになれるんです。
倍数で計画を立てる
少し大雑把な方法になりますが、予めトラブルの発生があることや自分の計画に楽観性バイアスが働いていることを前提にして計画を作る方法になります。
ステップ1
まずは、自分で作業に向けての計画を作ってみましょう。
ステップ2
ステップ1で作った計画に楽観性バイアスが働いていることを前提にして、この計画の作業工程一つ一つに〇倍かけて計画を再作成してみましょう。
参考指標
このやり方を実践している私のクライアントさんは1.2倍~1.5倍くらいで見積もり計画を立ててる方が多いように感じます。
解説
予め自分の計画に楽観性バイアスを見込んでおくことで、楽観性バイアスを避けることができます。
また、余裕を持った計画を立てることで、作業中のトラブルや予想外の出来事に対応しながらも、やり遂げられる計画を立てることができます。
作業ミスが起きやすい原因として「焦り」があげられます。
計画に余裕があることで、 作業中のトラブルや予想外の出来事が起きても、焦りを減らし冷静に対応することができますし、「締め切りに間に合わない」という焦りを感じにくくなるために作業自体のミスやトラブルを減らすことができるんです。
みさちからのメッセージ
計画錯誤から受ける影響は、周りに迷惑をかけるリスクが大きく恐縮してしまうかもしれませんが、計画錯誤が起こる原因さえ分かれば、計画錯誤を避けることは難しくありません。
例えば、もし、あなたの身体に湿疹が出たとします。
湿疹の原因が、あなたが卵を食べたことで身体がアレルギー反応を起こしたことと分かれば、卵を食べるのを辞めますよね。
しかし、湿疹の原因が分からないと卵が食卓に出されたら卵を食べてしまい湿疹を繰り返してしまいます。
計画錯誤もこれと同じことが言えるんですね。
計画を立てるときは計画錯誤を意識し、バイアスが働かないように、悲観的、合理的、精密さを忘れずに計画を立てることが大切です。
アメリカの研究では
人の幸福度は目標を達成できたかどうかで決まる
と、いうことが分かっています。
あなたが計画錯誤を意識し、計画を立てることが目標の達成の近道になり、あなたの人生の幸福、あなたの自信に導いてくれますよ(^^)